アグチム


  メニュー 

海外事情 

中国 

台湾 

韓国 

 韓国体験記 

 韓国の地理 

 韓国の料理 

 韓国の御土産 

 韓国のニュース 

インド 

シンガポール 

タイ 

リンク 

雑学の宝庫 

更新日:
 2009年11月29日


◎アグチム(아구찜)
 アンコウの蒸し煮料理。

 「アグ(아구)」というのはアンコウのことで、「チム(찜)」は「蒸す」という意味です。ですから「アグチム」とは、「アンコウの蒸し煮」料理のことです。ただ、「チム(찜)」は、「蒸し料理」というわけではなく、一般的には「少量の煮汁で調理する料理」という意味で使われることが多いようです。
 アグチムは、適当な大きさに切った鮟鱇と大量の豆モヤシを昆布などでとったダシ汁で蒸し煮にした後、塩、醤油、粉唐辛子、コチュジャン(唐辛子味噌)、テンジャン(韓国の在来味噌)などで辛く味つけした料理です。
 アグチムの主な材料は、メインであるアンコウの他には、セリ、モヤシ、長ネギ、生姜、ニンニクなどの野菜と、エボヤ(미더덕:ミドドッ、ミドドク」などです。
 アンコウが良くとれる慶尚道の馬山市の郷土料理です。アンコウ料理の本場である馬山市では、乾燥させたアンコウを使って歯ごたえのある味を強調し、スープには片栗粉を少しだけ入れて仕上げます。
一方、馬山以外の地域のアグチムは、生のアンコウを用いて、アンコウが本来、持っている柔らかい身の食感を最大限に生かし、最後に片栗粉でスープにとろみをつけて仕上げるのが一般的です。
 家庭でも作られますが、専門店も多いです。一品料理として食べられ、辛い味付けが御飯にもよく合いますが、酒好きな人は、焼酎のつまみとして食べるようです。
 アグチムは、そのまま食べても良いですが、アンコウの切り身は、ワサビ醤油につけて食べたりもします。また、アンコウの身から出た旨みが浸み込んだ豆モヤシをスープに絡めて食べるの非常に美味しいです。
 アンコウは、韓国では近代まで、ほとんど食べられていませんでした。アンコウに関する記録は19世紀の文献にも見られますが、料理に使用され始めたのは1960年代に入ってからといわれています。それ以前は、畑の肥料にするなど、食用としての価値はほとんどない魚だったそうです。
 1960年代に馬山市の午東洞(오동동:オドンドン)という町にある飲食店が、干したアンコウを蒸し煮料理にして出したのが始まりと言われています。この料理が、酔客を中心に人気が高まっていき、1980年代頃になって、全国に広まっていったと言われています。現在では、韓国料理の定番として、観光客にも人気が高い料理の一つです。
 現在でも馬山市の午東洞(오동동:オドンドン)には、アグチムの専門店が多数並んでおり、アグチム発祥の地としての勢いを保っています。ソウルでは、新沙洞(신사동:シンサドン)や方背洞(방배동:パンベドン)にアグチムの専門店が多くあり、アグチム通りとして有名になっています。
 魚料理でありながら全く生臭くなく、淡白な味で美味しいアグチムは、酔い覚ましや体のアルコール分を飛ばすといった効果もあると言われています。
 アグチムは、最後に残ったスープに御飯を入れ、炒めて、ポックンパッ(韓国式チャーハン)にして食べるのが一般的です。このポックンパッも非常に美味しいです。



    これ、アグチムですが、アンコウが見えないですね。






inserted by FC2 system