チュッ


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雑学の宝庫 

更新日:
 2011年3月30日


◎チュッ、チュク(죽)
 お粥。

 韓国のお粥が「チュッ(죽)」です。「チュッ」は、お米などの穀物に水を6~7倍加えて、長時間コトコト煮た料理です。日本では、米の形が残っていることが多いと思いますが、韓国のお粥は、米の形を残して作る場合と、米をミキサーですりつぶしてポタージュのようにする場合の2種類があります。また、水で作る場合のほか、ダシをとったスープで煮詰めて作り場合もあります。
 日本と同じように朝御飯としてや、胃が弱った時などに食べられます。韓国のお粥は、日本のお粥よりも種類が豊富です。現在では、お粥専門店もあり、いろいろな種類のお粥を食べることができます。

・クルチュッ(牡蠣粥:굴죽)
 牡蠣の粥です。「クル(굴)」は「牡蠣」のことです。十分に水分を含ませた米をザルにあげて水気をとり、牡蠣を薄い塩水でゆすいで、殻をはずします。鍋にゴマ油を入れて米を炒め、水を加えて煮た後、牡蠣を入れます。最後に塩や醤油で味付けをして出来上がりです。栄養たっぷりのお粥です。

・ケチュッ(ゴマ粥:깨죽)
 主に黒ゴマでつくったお粥です。「ケ(깨)」とは「ゴマ」のことです。韓定食などでも提供されるお粥です。黒ゴマには動脈硬化予防、ストレス緩和、精神安定、生理痛、やけど、白髪防止、便秘解 消、冷え性予防などの効果があるといわれています。
 黒ゴマを熱く熱したフライパンで炒めた後、水を加えて、ミキサーで細かく砕きます。米も同じようにミキサーで細かく粉砕した後、両方とも鍋に入れて、火にかけます。ゆっくりとかき混ぜながら時間をかけて炊きあげます。最後に塩で味を調節して完成です。薄い味で、健康のために食べる場合が多いようです。

・タッチュッ(鶏粥:닭죽)
 鶏肉のお粥。「タッ(닭)」は「鶏」の意味です。夏場の滋養食として人気がある料理です。鶏を丸ごと使ってだしを取り、肉は別にあけて食べます。スープの脂分を取り除いてから、もち米や普通の米を入れて煮込みます。米が柔らかく粥状になったら鶏肉を戻して、塩で味つけをして完成です。

・チャッチュッ(松の実粥:잣죽)
 松の実と米を一緒に炊いたお粥です。「チャッ(잣)」は「松の実」の意味です。松の実は高価なため、松の実をふんだんに使ったチャッチュッは、古くから高級なお粥として知られています。18世紀に書かれた「増補山林経済」や、19世紀末に書かれた「是議全書」など、朝鮮時代に書かれた文献にも記載されている料理だそうです。朝鮮時代の宮中では、王様が朝食に食べていたようです。
 米をきれいに洗って2~3時間水に漬けてふやかせた後、一定の量の水を少しずつ加えながらミキサーにかけます。また、殻をむいた松の実を米と同じようにミキサーにかけます。火にかけた鍋の中にミキサーにかけた米を入れ、さらにミキサーにかけた松の実を少しずつ入れ、ダマにならないように混ぜます。炊きすぎると苦くなるので、火加減には注意が必要です。最後に塩で味を調節して完成です。

・チョンボッチュッ(あわび粥:전복죽)
 「チョンボッチュッ」は、あわびを入れたお粥です。「あわび」は韓国語で「全鰒(チョンボッ:전복)」と言います。
 チョンボッチュッは、朝鮮時代の王様が朝食に食べていた料理のひとつといわれ、韓国では昔から親しまれてきた定番のお粥です。18世紀後半に書かれた「増補山林経済」には、貽貝(いがい=ムール貝)や牛肉を加えた贅沢なチョンボッチュッが記載されているそうです。
 薄切りにしたあわびをゴマ油で炒め、そこに米と水を加えて少しずつ煮込んで作ります。味付けは塩、または醤油で薄く仕上げ、仕上げに卵黄を入れたり、新鮮な活あわびの肝を一緒に煮込んだ濃厚なチョンボッチュッもあります。
 栄養価が豊富であることから疲労回復、栄養補給の目的で食べられることも多いようです。済州島の名物料理として知られ、島内では新鮮なアワビを用いたチョンボッチュクが食べられます。



・ノクトゥチュッ(緑豆粥:녹두죽)
 緑豆の皮を剥いて、米と一緒炊いたお粥です。「ノクトゥ」は「緑豆:녹두」の意味です。米と緑豆を1:2の割合で準備し、米は水に十分につけておく。緑豆はきれいに洗い、10倍ほどの水に入れ、皮を剥いて茹でます。緑豆を茹でた水に米を入れ、木箸で混ぜて、完全にふやけたら、緑豆の実を入れて一緒に煮ます。最後に塩で味付けをして完成です。

・パッチュッ(あずき粥:팥죽)
 あずきをたっぷりと使ったお粥です。「パッ(죽)」とは、「小豆」のことです。「パッチュッ」は、柔らかく茹でたアズキをつぶし、うるち米と一緒に煮込んだお粥です。タンパッチュッ(단팥죽:甘いパッチュク)とも呼ばれているようです。
 白玉や餅を入れることもあり、見た目は善哉か、お汁粉に見えますが、その味を期待して食べると、がっかりします。小豆と一緒に米も煮てある上、味付けは塩で調節されています。砂糖が入っている場合もあるようですが、通常、甘さは控えめです。日本のお汁粉と比べると甘さが少なく、アズキそのものの味をしっかりと感じます。
 あずきをしっかりと茹でてから、目の細かいザルにあけて、すり合わせます。すると皮だけが残り、下には豆が落ちます。これに米を入れて火にかけ、米が柔らかくなってきたら「白玉団子」を入れ、もう一度火にかけます。この時、弱火で煮こむと、小豆の赤い色が出てくるそうです。
 韓国では、アズキ粥は病気の鬼神を退治する力があるとして、上元(陰暦1 月15 日)、三伏(夏季の庚日)、冬至の行事食として食べられてきました。その中でも、特に冬至に食べるパッチュッが有名で、この日に食べるパッチュッを「トンジ(冬至)パッチュッ」と呼んでいます。
 「トンジパッチュッ」は、団子を入れた小豆粥です。韓国では昔から、小豆粥を作ったり、食べたりすることが不運や病気を防ぐといわれてきました。また、食べる前に台所、倉庫、玄関、庭などに撒いたりもしたそうです。このような習慣は、中国の神話からきていると伝えられています。
 「荊楚歳時記(けいそさいじき)」という中国の六朝時代の荊楚(現在の湖北、湖南)地方の行事や風俗を記録した書物(梁の宗懍(そうりん)による撰。六世紀半ば頃、成立。)によると、昔、ある人に息子がいたのですが、病で亡くなってしまい、疫病の神になってしまったそうです。その神はとても冷酷で、多くの人々が疫病によって亡くなってしまったそうです。人々は、この伝染を防ごうと解決策を探していました。その時、疫病神となった人の亡くなった息子が生前、小豆粥が嫌いだったことを思い出し、小豆でスープを作って家中に撒き始めたところ、蔓延していた疫病がなくなったそうです。こ のことから、小豆粥には疫病を退治する力があると言われるようになったそうです。
 また、韓国では豊作を願って小豆粥を食べることもあるそうです。韓国では、小豆粥に自分と同じ歳の数だけ小さな団子を入れて、冬至に食べていたそうです。
 19世紀に書かれた「東国歳時記」という書物にも、トンジパッチュッの記述があるそうです。ソウルでは鬼は赤を嫌うといわれ、冬至の日には魔除けの意味で、門にあずき粥をふりかけるそうです。

・ヘソンチュッ(海産粥:해산죽)
 海産物を入れたお粥です。通常、エビ、イカ、牡蠣、アサリ、ハマグリなど5種類の魚介類と、松茸あるいは、マッシュルームが入っています。それぞれの海の香りとダシが出て、味わい深いお粥です。

・ホバッチュッ(カボチャ粥:호박죽)
 ホバッチュッはカボチャのお粥のことで、「ホバッ(ホバク:호박)」が「南瓜」の意味です。ホバッチュッは、南瓜そのものの、ほんのりとした甘さが特徴のお粥です。
 下茹でしたカボチャをつぶしてペースト状にし、モチゴメと一緒に丹念に煮込んで作ります。舌触りをよくするために、カボチャと餅米をミキサーにかけてポタージュ風にしたお粥が多いです。また、小豆を一緒に煮込んだり、白玉を乗せて食べることもあるそうです。

・ヤチェチュッ(野菜粥:야채죽)
 韓国語で「野菜」のことを「ヤチェ(야채)」と言います。「ヤチェチュッ」は、野菜を使ったお粥です。お店によって野菜の種類は異なると思いますが、一般的に、ニンジン、ホウレンソウ、長ネギ、ズッキーニ、玉ネギなどが使われます。これらの野菜をみじん切りにして、入れたお粥が「ヤチェチュッ」です。野菜だけのお粥もありますし、挽肉などを入れる場合もあります。







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