チュオタン


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更新日:
 2009年2月15日


◎チュオタン(추어탕)
 ドジョウ鍋。

 チュオタンはドジョウを入れたスープ料理です。チュオは漢字で「鰍魚」と書きますが、これは「どじょう」のことです。タンは「スープ料理」のことです。ですから、「ドジョウ鍋」です。ドジョウは、「ミクラジ(미꾸라지)」とも呼ばれ、ドジョウスープは、「ミクラジクッ(미꾸라지국)」と呼ばれます。
 「鰍」という漢字が示すように、ドジョウの旬は秋です。もともと、秋になって水を抜いた田んぼにいるドジョウを獲って食べていたことに由来するようです。農耕地域においてドジョウは、田んぼや川で獲れる貴重なたんぱく源の一つだったようです。また、夏の暑さで弱った体を栄養たっぷりのチュオタンで回復させるという意味もあったといわれており、現在もチュオタンは秋の季節料理として食べられています。
 チュオタンは、12世紀に高麗を訪れたという中国の使臣が書いた『宣和奉使高麗図経(せんなほうしこうらいずきょう)』に記述が見られることから、古くからあった料理だと考えられています。全羅北道の南原が古くからの名産地として有名です。
 チュオタンはドジョウをメインに、長ねぎ、ズイキ、豆もやしなどの野菜を入れて作られます。味つけにはテンジャンとよばれる韓国味噌や、唐辛子味噌、少量の粉唐辛子などを用い、ドジョウから出る滋味深い味わいにピリッとした辛さを加えた味に仕立てられます。最後に好みで粉山椒をふるのが特徴で、泥臭さを消すとともに山椒の清涼感ある香りをアクセントとして加えます。
 チュオタンには、大きく分けて2種類の作り方があります。生きたままのドジョウをそのまま鍋に入れて煮る方法と、やわらかく煮込んだドジョウをすりつぶして使う方法の2種類です。生きたドジョウをそのまま煮込むのはソウル式です。ソウルでは、内臓や骨などで作ったダシ汁に豆腐、キノコ類、ズッキーニ、ネギ、ニンニクなどを入れて煮込んでから山椒を入れ、これとは別に火を通しておいたドジョウを入れて、最後に一煮立ちして完成ですソウル近郊では、この方式で作られたチュオタンを食べることができます。
 一方、煮込んだドジョウをすりつぶして使うのは、全羅道や慶尚道地域などです。一般的には、この方式で作られたチュオタンが全国的に食べられているようです。細かいことを言えば、地方によって作り方が少しずつ異なっています。慶尚道では煮込んだドジョウをすりつぶし、それに湯がいた白菜やワラビ、里芋の茎、ネギ、ニンニク、山椒を入れて作ります。しかし、全羅道では味噌とエゴマの汁を入れてとろみのあるスープを作り、山椒を入れて辛めの味付けにします。
 ドジョウは、タンパク質、カルシウム、ビタミンA、B、D、鉄分などを豊富に含み、栄養価が高く、滋養強壮に効果があるといわれていて、韓国ではスタミナ料理のひとつとして親しまれています。現在では、養殖ドジョウや、中国産ドジョウの輸入によって、1年中、食べられています。年間のドジョウの消費量は約6,000トンで、その2/3が中国産だそうです。







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