プルコギ


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更新日:
 2009年6月10日


◎プルコギ(불고기)
 下味をつけた牛肉を専用の鉄板で焼いた料理。

 タレにつけこんだ薄切りの牛肉を専用の鉄鍋(プルコギ鍋)で焼いた料理です。“プル”は“火”、“コギ”は“肉”という意味です。薄切りにした牛肉に、醤油、砂糖、清酒、みじん切りにしたネギ、ニンニクなどを混ぜ合わせた薬味ダレで下味をつけ、タマネギ、春菊、タンミョン(春雨)などと共に鉄板で焼いて食べます。
 プルコギに用いられる鉄板は円形で、中央が盛りあがっている形のものが多いです。ナシなどの果物の果汁を下味に用いる場合もあり、全体的に甘い味付けになっています。火にかけたプルコギの鍋に、先ずユクス(肉汁)を入れて温めた後、肉を広げて載せ、焼け始めたら一度だけひっくり返してさらに焼いてから食べると美味しいです。
 甘く味付けされているので、辛いものが苦手な人には食べやすい韓国料理です。汁気が多いため、 「焼く」というよりは「煮る」といった感じが強いです。味があらかじめついているので、日本の焼肉のようにタレをつけて食べるのではなく、サンチュに包んで食べます。
 プルコギは、もともとは中国から伝わった料理のようです。中国では、紀元3世紀頃の晋の時代、重要なお客が来た時、串に刺した味付け肉でもてなしていたようです。
 その料理が高句麗(紀元前37年~668年)に渡り、胡椒とニンニク、さらに高句麗で開発された独自の醤(ジャン)で味付けされた“貊炙(メクジョッ)”という料理になったようです。“貊”というのは「高句麗」を指し示す言葉で、“貊炙”は「あらかじめ調味しておいた肉を串に刺して、炭火で焼いて食べるもの」を意味するそうです。
 その後、朝鮮時代末期の宮中で、牛肉に下味をつけて焼いた“ノビアニ(너비아니)”という料理が作られ、この料理が、現在のプルコギへと変化していったとされています。“貊炙(メクジョッ)”は串に刺した肉でしたが、“ノビアニ”は牛肉のフィレまたはロースを薄く切り、包丁で叩き、味付けをして、炭火の上に焼網をのせて焼いたもので串を使わない料理だそうです。
 このように聞くと、ノビアニと貊炙(メクジョッ)は、直接、関係がないように思えます。また、プルコギは鉄板で、ノビアニのように焼き網は使用しませんから、プルコギとノビアニも、直接、関係がないように思えます。ただ、肉に味をつけてから調理するという点が共通であるため、朝鮮時代のノビアニ、さらに、高句麗時代の肉料理メクジョッが、現代のプルコギの元祖だと言われているようです。
 実際には、現在のプルコギは、韓国戦争が終了した1953年以降、町の屋台のような所から始まった料理のようです。1950年代以前の文献には“プルコギ”という単語自身が見られないのだそうです。現在のプルコギのような料理ができたのは、当時、物資が少なく、貧しかったため、肉をたくさん食べることができなかったため、肉汁と御飯を一緒に食べられるように、焼き網でなく、鉄板を使用したとも言われています。また、肉の焼きあがる時間を短縮するため、薄く切って調理したとも言われています。あるいは、網はなかなかないですが、鉄板ならどこでも手に入るし、また下味をつけてしまえば、多少、古い肉でも美味しく食べられるため、このようなスタイルになったとも考えられます。
 結局、プルコギは、ノビアニともメクジョッとも違う料理だと思います。1950年以降に作られた新しい韓国料理ということで良いのではないでしょうか。実際に、美味しいし、辛い料理が苦手な人にはもってこいの料理ですし、一方では辛い“コチュジャン・プルコギ(고추장불고기)”という料理も生まれています。あえて過去に遡る必要などないのではないでしょうか。



  これは、1人用のプルコギです。





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