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雑学の宝庫
更新日:
2009年12月25日
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◎宮中トッポッキ、宮中トッポッギ(궁중떡볶이)
伝統的なトッポッキ。
◎トッポッキ、トッポッギ(떡볶이)
うるち米で作った餅を野菜などと一緒に辛く炒めた料理。
「トッポッキ(떡볶이)」という名前は、「トック(떡)」と「ポッキ(볶이)」の2つの単語が合わさった名前です。「トック(떡)」は、韓国の「餅」のことで、「ポッキ(볶이)」は「炒める」という単語の名詞形です。すなわち、「餅炒め」ということになります。
白餅(흰떡:ヒントッ)、あるいは棒餅(가래떡:カレトッ)と呼ばれる粳米で作った白い棒状の餅を、コチュジャンを使って、野菜などと一緒に甘辛く炒めて作ります。
使われる野菜は、キャベツ、玉葱、人参、長ネギなどが一般的です。他にもカマボコやソーセージなどを一緒に入れることも多いようです。トックは、ウルチ米で作られているため、日本の餅のように伸びることはなく、しっかりとした歯ごたえが楽しめます。
家庭でも作られますが、屋台で簡単に食べられるため、学生のおやつとして食べられることも多いようです。屋台のトッポッキは、赤いソースと餅だけというタイプがほとんどです。一緒に売られているティギム(튀김:てんぷら)やキムマリ(김말이:春雨を海苔で巻いて揚げたもの)を一口サイズに切って、これらをトッポッキに混ぜてもらい、真っ赤に染めて食べたりします。
その一方で、おやつではなく、様々な具を一緒に炒めて、料理としてのトッポッキを提供する専門店もあります。専門店では、浅めの鍋に様々な具と餅、ダシ、そして秘伝の真っ赤なソースを入れて、お客さんが自分で煮詰めながら食べます。鍋料理の一つと言って良いでしょう。一般的には、餅、おでんの具、ゆで卵、餃子、ラーメン、チョルミョン(쫄면:スパゲッティくらいの太さの弾力のある麺)と、各種野菜がたっぷり入っています。これらを強火で直接、煮ていきます。味付けは屋台に比べ甘く、野菜がたっぷり入っているのが特徴です。
ソウル市の東大門市場の近くにある新堂洞(신당동:シンダンドン)には、トッポッキの専門店が集まった場所があり、「シンダンドン・トッポッキ通り(신당동떡볶이거리)」として全国に、その名を知られています。
このようにトッポッキと言えば、甘辛い真っ赤なソースでからめてある料理をイメージしますが、実は、伝統的なトッポッキは赤くないそうです。これは、宮中トッポッキ(궁중떡볶이:クンジュン・トッポッキ)と呼ばれている料理です。
宮中トッポッキは、朝鮮王朝時代から、宮中で出されていた料理だそうです。1800年代末の料理書に、「宮中では餅の上にナムルと牛肉などを載せて、醤油をかけて炒めた料理を食べていた」という記録があるそうです。まだ、韓国にトウガラシが入る前の時代に作られた料理のため、コチュジャンではなく、醤油で味付けしてあります。餅を様々な野菜と一緒に炒めた料理で、栗、ナツメ、松の実などを加え、美味しさだけでなく、栄養価にも優れた高級料理に仕上がっています。
トッポッキが赤い料理になったのは、1950年代以降だと言われているようです。これは、唐辛子が、韓国内に広く普及するようになったのが1950年代以降であることが根拠になっているようです。時代背景を考慮すると、戦争で非常に貧しい食糧事情になった中から生まれたのが庶民の料理である赤いトッポッキなのだと思われます。
こちらが宮中トッポッキです。
2012年3月現在、韓国におけるトッポッキの市場は1兆ウォンだそうです。しかも、2013年には2兆ウォンに迫る勢いだそうです。韓国米加工食品協会によると、2008年に1,000箇所前後だったトッポッキのフランチャイズ加盟店は、2011年6月には2067箇所にまで増加したそうです。
2012年3月現在、トッポッキのフランチャイズ・ブランドは35種類もあるそうです。その中で、2002年に梨花女子大学の前に1号店をオープンした「アッタル(아딸)」というお店が、最も多いようです。2012年1月末時点で903店舗を展開しており、普通のトッポッキ以外にも「宮中トッポッキ」や「ファイトトッポッキ」など、多様な種類の商品を出して、人気になっているようです。ちなみに、店名の「アッタル」というのは、「아버지튀김 딸떡볶이(アボジ・ティギム、タル・トッポッキ)」の略だそうです。これは、「アボジ」が「父」、「ティギム」が「天ぷら」、「タル」が「娘」ですので、直訳すると、
「父の天ぷら、娘のトッポッキ」で、「お父さんが作る天ぷら、娘が作るトッポギ」の意味だそうです。
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