チャプチェ


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雑学の宝庫 

更新日:
 2011年4月5日


◎チャプチェ(잡채、雑菜)
 春雨と野菜を炒めた料理。

◎チャプチェパッ(잡채밥)
 春雨と野菜を炒めたものを御飯にかけた料理。

 「チャプチェ(잡채)」は、野菜やキノコ、牛肉など、たくさんの食材を、韓国の春雨と混ぜ合わせた料理です。一般的には、細切りにした牛肉、ニンジン、椎茸、玉ネギ、ピーマンなど、色とりどりの具材と、韓国の春雨をゴマ油と醤油であっさり仕上げた辛くない料理です。韓国の家庭料理として、非常に有名な料理です。
 食材として決められたものはなく、通常は玉ネギ、ニンジン、ピーマン、ホウレン草、セリ、キキョウの根、椎茸、キクラゲ、岩茸、シメジなどが使われています。たくさんの具材を入れて作る料理で、しかも、各食材ごとに丁寧に下味をつけてから炒めるので、野菜やキノコ、牛肉の様々な旨みが春雨に浸み込んで、味に深みがある料理に仕上がります。韓国の春雨は、日本の春雨よりも黒っぽくて、やや太く、コシが強くて、弾力があるのが特徴で、日本の春雨とは食感が異なっています。
 現在のチャプチェには、まず間違いなく、春雨が入っていますが、もともとチャプチェに春雨は必要なかったようです。「チャプチェ」は、漢字で「雑菜」と書きます。これは、「たくさんの食材を混ぜ合わせる」という意味で、特に春雨を意味するものではありません。
 1670年頃に書かれた「飲食知味方」という書物にチャプチェの作り方が紹介されているそうですが、そこには野菜、山菜、キノコなど、20種類もの材料が紹介されているそうです。ただし、その全てを使うのではなく、その時に、ある食材を利用して作るように注釈が加えられているそうです。しかし、この中には、春雨(タンミョン)の記載はないそうです。
 また、1700年代に書かれた「飲食譜」という書物にも、チャプチェの記載があるそうですが、そこにも「各種野菜を切りそろえ、油と醤油で炒める」としか書かれていないそうです。すなわち、もともと「チャプチェ」とは、「細切りにした野菜を炒めた料理」であり、韓国の宮中料理の1つであったようです。
 春雨はもともと、中国をルーツとする乾麺で、朝鮮半島、日本、タイ、ベトナムなど、アジア一帯に伝播しながら、それぞれの土地で採れる材料を使って独自の変容をとげてきたそうです。韓国では、春雨のことを「タンミョン(당면、唐麺)」と呼びますが、これは、「唐から来た麺(唐の麺)」という意味だと思われます。中国では主に緑豆が使われていますが、韓国ではサツマイモや緑豆の澱粉から作られています。
 韓国でも古くから春雨が食べられてきたと考えられますが、春雨が大量に生産され、商品化されたのは1912年に、日本人が平壌に唐麺工場を作ったのが最初だと言われています。当初、中国人から技術を導入し、中国と同じように緑豆で春雨を作っていたようですが、朝鮮半島ではサツマイモが多く採れたことから、次第にサツマイモ澱粉で作ったタンミョンが増えていったようです。
 現在のチャプチェは、この春雨が、野菜と牛肉を炒めた宮廷料理である「チャプチェ」と結びついて生まれたものだと考えられます。春雨のつるりとした食感、食材の旨みを吸った味など、チャプチェを入れることによって、その美味しさが増し、切り離せなくなったのではないでしょうか。現在では、春雨の入らないチャプチェを「クンジュンチャプチェ(궁중잡채:宮中チャプチェ)」と呼んで区別することもあるそうです。 
 韓国では、このチャプチェをごはんの上に乗せた、チャプチェパッ(잡채밥)という料理も人気が高いです。
 また、具にシーフードをたっぷり使った「ヘムルチャプチェ(해물잡채)(「ヘムル」は、「海物」と書き、「海産物」を意味しています。また、別名、「パダチャプチェ(바다잡채)」とも言うそうです。ここで「パダ」は「海」の意味です。)」、たっぷりのキノコを使った「ポソッチャプチェ(잡채)(「ポソッ」は「キノコ」の意味です。)」、唐辛子やピーマンを使った辛い味付けの「コチュチャプチェ(고추잡채)(「コチュ」は、「唐辛子」の意味です。)」など、いろいろなバリエーションがあります。





こちらがチャプチェです。



こちらは、チャプチェパッです。下に御飯が隠れています。


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